淀川の源流は三尾のある龍だった


皆さんご存知のように京阪神地区の水道水は主として水源は琵琶湖に頼っている。その中で神戸は水量豊かな川がないので淀川からかなりの量の水を取水しているそうです。随分お世話になっている訳ですが、我々は淀川のことを余り知ってはいないのではないか・・・  永らく私は淀川の源流は琵琶湖より発しているんであろう、と思っていました。 マ、これは間違いではないですが...  今から四ヶ月前、ネットのマップで高槻、枚方、八幡、大山崎の各地区を調べていましたら、ある興味ある状態を発見しました。「コリャ、面白いわ、何時か行ってみよう!」という事で...

 
 



淀川の治水対策でしょうけど、土手はかなり小高くなっていて、上りきらないと川は見えません。土手上の路は自転車と歩行者専用になっていて、車が通れる区間は一部を除いて殆どありません。したがって川を横手に見ながら、運転できる区間はあまりないということです。

こちら側は東淀川区、向こう岸は都島区で、阪急千里線の鉄橋と平行して長柄橋が渡されています。

   



東淀川区淀川大堰、 水門によって海水の遡上を防ぎ、この地点で淀川と大川(旧淀川)に分岐します。また水をせき止めて水道などの水を取れるようにしています。淀川で大堰があるのはこの地点だけでしょう。

左岸土手下には柴島(くにじま)浄水場があって水道記念館が併設されています。この浄水場から神戸にも水道水が来ているのかもしれません。

   



大阪市東淀川区豊里大橋、デザインが面白い。

河川敷は例によって、テニスコートなどに利用されている。

   



高槻市柱本三丁目、淀川土手の丁度下辺り、古いけれど大きい立派な家が何軒もある地域です。

昔は淀川は10石舟や30石舟で河口から京都や琵琶湖に盛んに物資が輸送されていた。また橋が少なかった為、舟による渡しが行われていました。淀川は京阪の大動脈だったわけです。

この地域はそれを司る物流業者の集中するところであったかも知れない。これはわたしの推測にすぎませんが...  そのように想像させるほど格式のある家が点在しています。

   



遠くに見えるビルが対岸になります。

手前のゴルフ場は淀川の河川敷を利用したもので、この他にも公園や野球場などにも河川敷は有効利用されています。ここは淀川中流域の枚方市の辺りですが、川幅が随分広いですね。


   



天王山の中腹にある、大山崎山荘の入り口である隧道。休日のこともあって観光客で一杯です。

天王山といえば、本能寺で織田信長が討たれた後、羽柴秀吉と明智光秀との戦いがあった場所で有名な地域ですね。


   



大正から昭和にかけて加賀正太郎という実業家によって建築された大山崎山荘は現在、美術館としてアサヒビールが保存・管理し、安藤忠雄氏設計の新館も増築され多くの人々が訪れています。

昔は辺鄙な場所であったでしょうに、手のかかった豪奢な作りには驚嘆します。環境や景色も素晴らしく、昭和初期に作られた現代の城という感じです。





   



この山荘の2Fテラスより見る180度の大パノラマが広がった素晴らしい景観。

京都市の北西に位置する丹波山地に発した桂川、琵琶湖より唯一流れ出る瀬田川が京都府に入って名前が変わった宇治川、三重県名張から流れる木津川、何れも一級河川の大川ですが、3方向よりこの地点で大合流し淀川となります。

画像の手前側が木々が生い茂った山荘の庭、向こうに見える小高い山は鳩ヶ峰といって、岩清水八幡宮のあるところです。



   



以前、ネットのマップでこの地域を検索した時、その川の流れはまるで三つの尾を持った龍のように私は見えました。

三本の大河が同一地点で合流して淀川となる。なんともすごい景観だ!その他大山崎山荘、サントリーの工場、木津川の流れ橋(上津屋橋)これは見ておかなくてはと思ったわけです。詳細の地図はこちら

   


山荘旧館の通路をたどり、新館の階段を降ります。

壁面は全てコンクリート打ちっぱなし、安藤忠雄氏の設計です。
   


内部は全て、「モネの睡蓮」の絵画ばかりの美術館。
   


大山崎山荘から徒歩で15分ぐらいの距離にある、サントリーウイスキーの山崎工場。観光客向けに一部開放されています。
   


山崎の合流地点から木津川を遡った6km付近に日本最長の流れ橋、上津屋橋がある。右岸は久御山町、こちら側左岸は八幡市です。
   


水面からかなりの高さがありますが、水位が橋桁まで上昇すると流れ橋では橋桁は橋脚に乗せてあるだけなので、そのまま水に浮かんで流されるようになっている。

橋桁は八つに分けられ、ワイヤーロープで橋脚に繋げてあるので、水が引いた後又エイヤ〜とのせるわけです。今まで15回程流されているらしいけれど、すごいですよね。
   


歩行者と自転車のみ通行可の橋です。京阪神エリアのような人口の多いところに、昭和にタイムスリップしたようなのどかな景色が存在するのは面白いし、奇跡のようなものです。維持管理に結構費用がかかると思いますが、通行料はいりません。

近代的な建築物が近くにない為、時代劇の撮影に使われることがあるそうです。